その「黒ずみ」は
メラニン
毛穴かも⁉原因と治し方、
スキンケア方法を知ろう
肌悩みの一つとして挙げられる「毛穴の黒ずみ」。実はその黒ずみの原因の一つにメラニンが関係していることをご存知でしょうか?
角栓詰まりのケアをしていても改善が見られない場合、メラニン毛穴かもしれません。メラニン毛穴とは何か、主な原因、効果的な治し方やスキンケア方法について知っておきましょう。
美容皮膚科医タカミクリニック副院長の
山屋 雅美医師が監修しています。
メラニン毛穴とは?
メラニン毛穴とは、毛穴周りの皮膚が色素沈着を起こして黒く色づいた状態のことで、「毛穴ジミ」とも言われます。毛穴の周りがリング状に黒ずんでいますが、毛穴の中に角栓などが詰まっているわけではありません。
- 毛穴の周りが黒ずんでいる
- 角栓を取っても黒ずみがある
- 鼻や小鼻の黒ずみが目立つ
- 触ってもザラザラしない
毛穴の周りに色素が沈着した状態になるため、黒ずみの面積が大きく、目立ちやすい傾向があります。角栓ケアをおこなっても改善されない場合や、角栓や汚れ、産毛が詰まっていないのに毛穴が黒く見える場合は、メラニン毛穴の可能性が高いです。
メラニン毛穴による
「黒ずみ」の原因は?
メラニンによって「黒ずみ」が起こる原因は、日常的な皮膚への摩擦や、紫外線のダメージ、皮脂の酸化などで毛穴に炎症が発生し、メラニンが過剰につくられてしまうためです。
毛穴に詰まった汚れを取り除いてもキレイにならないなど、毎日のスキンケアで毛穴の黒ずみがなかなか改善されにくい場合は、メラニン毛穴の可能性があります。意外かもしれませんが、毛穴詰まりを取り除くためにおこなっている毛穴パックやスクラブ洗顔が、摩擦や刺激となって、メラニン毛穴の原因になっている可能性もあります。
メラニン毛穴と
他の黒ずみ毛穴との
違いと見分け方
メラニン毛穴は、毛穴が黒ずんで見えることから「黒ずみ毛穴」と呼ばれることがあります。
黒ずみ毛穴のタイプには、メラニン毛穴だけでなく、角質が詰まって黒ずんだもの(黒角栓毛穴)や、産毛が原因で黒く見えるもの(産毛毛穴)の3つのタイプが挙げられます。「黒角栓毛穴」「産毛毛穴」の簡単な原因と見分け方を知っておきましょう。
黒角栓毛穴
原因
毛穴に詰まった「角栓」が長時間留まることで酸化し、黒ずんでしまうことが原因です。角栓は古い角質と皮脂が混ざってできる小さな塊のことです。紫外線や摩擦、乾燥などの影響で肌のターンオーバーが滞っていたり、皮脂腺から分泌される皮脂量が多かったりすると、角栓ができやすくなります。
見分け方
毛穴に角栓が詰まっているため、触るとザラザラしたり、毛穴が盛り上がったりしています。黒ずみの原因が黒い角栓のため、角栓を取り除くことで改善できます(メラニン毛穴や産毛毛穴は毛穴パックでは改善できません)。
産毛毛穴
原因
産毛毛穴は、毛穴に生えている「産毛」が原因で黒ずんで見えます。特に毛が濃い体質の人ほど黒く目立ち、スキンケアでは改善できないため、医療脱毛などの脱毛処理が必要です。
見分け方
毛が濃い体質の方に多く見られ、毛穴の中に黒く詰まっているものを触ると、チクチクしている場合は産毛毛穴が考えられます。
メラニン毛穴の
効果的な治し方は?
メラニン毛穴の黒ずみは、原因がメラニン色素のため、何もケアをおこなわない場合、濃くなることはあっても、薄くなることはほとんどありません。
メラニン毛穴を効果的に治すために、根本原因の排除と予防の観点から「自宅でケアをする方法」と、症状を改善するために「美容皮膚科で治療する方法」を知っておきましょう。
メラニン毛穴を
自宅でケアする方法
メラニン毛穴は黒角栓による黒ずみと異なり、改善に時間がかかります。自宅でのケアは、メラニン毛穴の予防に効果的なケアと捉えましょう。
自宅でのケアのポイントは、洗顔と保湿はもちろん、紫外線対策と美白ケア、角質ケアを正しくおこなうことです。メラニンの生成阻止と還元、排出を促すことが効果的な予防へとつながります。
予防方法
- ① 間違った毛穴ケアを見直す
- ② 正しい洗顔と保湿ケア
- ③ 紫外線対策
- ④ メラニン生成を抑える美白ケア
- ⑤ 適度な角質ケア
- ⑥ 生活習慣のサイクルを整える
メラニン毛穴を自宅でケアする方法①
間違った毛穴ケアを見直す
間違った毛穴ケアを見直さない限り、同じ問題が繰り返されます。メラニン毛穴は黒角栓による黒ずみとは原因が異なるため、原因に合った毛穴ケアが必要です。まずは、自分のケア方法がNGケアに該当しないか確認しておきましょう。
間違った毛穴ケア
- 頻繁に貼って剥がすタイプのような毛穴パック使用している
- 毛抜きや爪で角栓を取ろうとする
- スクラブ洗顔を頻度高く使用している
間違った毛穴ケアは、毛穴周辺の皮膚や角質にダメージを与えます。この刺激により、毛穴周辺にさらにメラニンが蓄積し、メラニン毛穴が悪化する可能性があります。間違ったケアはやめて、正しいケアを実践していきましょう。
メラニン毛穴を自宅でケアする方法②
正しい洗顔と保湿ケア
メラニン毛穴のスキンケアにおいては、「洗顔の仕方」と「保湿ケア」が非常に大切です。
正しい洗顔方法
強く擦る、皮脂を取りすぎるなどの間違った洗顔はメラニン毛穴の原因になります。正しい洗顔方法をおこない、メラニン毛穴を予防しましょう。
洗顔料はしっかりと泡立てTゾーンからUゾーンの順に肌にのせ、泡の弾力で包み込むようにして洗います。洗い流しは30秒以内に、お湯の温度は体温と同じくらいが目安です。温度が低すぎると、皮脂汚れが落ちにくく、高すぎると乾燥してしまうのでお湯の温度は重要です。
ブラシ洗顔やスクラブ洗顔は、毛穴や肌への摩擦となりメラニン毛穴を悪化させる恐れがあるため極力避けましょう。
メイクをしている場合は、洗顔前に必ずクレンジングをしてください。
保湿をきちんとすること
メラニン毛穴を予防するには、保湿ケアをきちんとおこなうことが重要です。
「すべての肌トラブルは乾燥から始まる」と言われるのは、うるおい不足になると肌のバリア機能が低下し、紫外線や摩擦など外的刺激を受けやすくなるからです。
年齢が上がるごとに肌の水分量が低下することから、年齢に応じたエイジングケアも意識しましょう。
セラミドやヒアルロン酸、アミノ酸などは、本来肌が備えている成分です。これらをスキンケアに取り入れることで、肌のバリア機能をサポートします。同時に、ビタミンC誘導体やナイアシンアミド、レチノールなども、メラニン毛穴や開き毛穴に対して効果的な成分です。日々のスキンケアに積極的に取り入れていきましょう。
メラニン毛穴を自宅でケアする方法③
紫外線対策
メラニン毛穴の主な原因は紫外線によるものです。紫外線を浴びるとメラニンが過剰に生成されるため、紫外線対策は不可欠です。日焼け止めを塗っていない肌やバリア機能が低下した肌は、紫外線の影響を受けやすく、毛穴周りにメラニンの蓄積を促します。
また、毛穴から排出された皮脂が紫外線の影響で酸化し過酸化脂質になると、肌への刺激となってメラニン生成をいっそう加速させます。さらに、過酸化脂質は皮膚のバリア機能を低下させ、正常なターンオーバーを妨げてしまうため、本来排出されるはずのメラニンが肌に沈着しやすくなってしまいます。
紫外線には表皮に影響を与えるUVB波と、真皮まで影響を与えるUVA波の2種類があり、どちらもメラニン生成に影響を及ぼします。特に、地表に届く紫外線の90%以上を占めるUVA波は、季節を問わず一年中降り注ぐ「生活紫外線」と呼ばれ、曇りの日でも肌に影響を与えます。
基本的には一年中日焼け止めを使用し、帽子や日傘と併用して肌を守ることが、メラニン毛穴の予防につながります。
メラニン毛穴を自宅でケアする方法④
メラニンの生成を抑える美白ケア
メラニンを生成させない、溜め込まないためには、美白ケアも大切です。美白化粧品を使用することで、メラニン生成を抑制することができます。
美白有効成分には、メラニンの生成を抑えるものやメラニン還元作用があるもの、ターンオーバーを促進してメラニン排出を助けるものなどがあります。
有効な美白成分
- ・メラニン生成抑制やメラニン還元作用のある成分
- ビタミンC・ハイドロキノン・トラネキサム酸・システアミン・アルブチン・コウジ酸
- ・肌のターンオーバーを促す成分
- ビタミンA(レチノール誘導体、レチノールなど)
美白化粧品でメラニン毛穴を目立たなくするには時間がかかりますが、自宅でのケアとして継続すると効果が期待できます。
スキンケア用品や化粧品を選ぶ際は、シミ予防に効果的な成分が含まれたものを選ぶと良いでしょう。
メラニン毛穴を自宅でケアする方法⑤
適度な角質ケア
不要になった古い角質が肌に蓄積すると、ターンオーバーが滞り、メラニンの排出がスムーズにおこなわれにくくなります。同時に、皮脂やタンパク汚れが毛穴に詰まりやすくなり、メラニン毛穴と詰まり毛穴が同時に発生する可能性もあります。
そのため、適度な角質ケアを取り入れることをおすすめします。また、肌状態が安定している方であれば、酵素洗顔やクレイ配合の洗顔料などを利用するのも良いでしょう。タンパク質や皮脂を効果的に分解し、毛穴の汚れを吸着させることで汚れの蓄積を防ぐことができます。ただし、やりすぎると肌を乾燥させるため週1回~週2回程度に留めます。敏感肌の場合は、乾燥がひどくなってトラブルに至る可能性があるのでおすすめできません。
メラニン毛穴を自宅でケアする方法⑥
生活習慣のサイクルを整える
ストレス・偏った食生活・不規則な生活習慣・睡眠不足・運動不足は、いずれも新陳代謝に悪影響を及ぼし、肌再生や正常なターンオーバーを妨げます。既に説明している通り、ターンオーバーが乱れているとメラニンが排出されにくくなり、メラニン毛穴を生じさせてしまいますので、できるだけ規則正しい生活を心掛け、メラニンの蓄積を防ぎ、毛穴ジミを予防しましょう。
生活習慣のサイクルを整えることが、ホルモンバランスや自律神経を安定させ、新陳代謝を促すことに繋がりますので、まずはできることからはじめてみましょう。歩く時間を増やすなど、適度な運動で新陳代謝を高めてあげることでも、メラニン毛穴の予防、さらにはあらゆる肌トラブルの改善に繋がります。
メラニン毛穴を
美容皮膚科で治療する方法
自分でおこなうケアは予防と悪化防止に効果的ですが、それだけでメラニン毛穴を改善させるのは難しく時間がかかります。より早く改善したい方や症状がひどい方は、美容皮膚科で治療を受けることをおすすめします。
医療ならではのアプローチで、肌のターンオーバーを促してメラニンを排出させることや、黒色メラニンを無色に還元することが治療のポイントです。
タカミクリニックの毛穴治療
タカミクリニックでは、あらゆる毛穴悩みを独自の治療法で改善する「毛穴治療」をおこなっており、メラニン毛穴を改善できる施術もラインアップされています。
「メソフェイシャル」は、エレクトロポレーションと言われる原理を用いて、美白還元効果のあるビタミンC誘導体や肌細胞代謝を高めるビタミンB、健やかな肌を育むために重要な成分であるヒアルロン酸、アミノ酸などの美白美肌サポート成分を細胞の隙間から、たっぷりと肌深部に入れ込むことができ、メラニン毛穴のお悩みの方に人気の施術です。
また、創傷治癒作用により肌再生を促す「ダーマペン4」は、肌再生を促す効果が高くメラニン毛穴だけでなく、開き毛穴やたるみ毛穴にも効果を発揮するので、色々な毛穴トラブルをお持ちの方におすすめです。
メラニン毛穴は放置せず
早めのケアと相談を
メラニン毛穴は紫外線や間違ったスキンケアによって起こる場合が多いため、日々の予防ケアがとても大切です。
できてしまったメラニン毛穴の改善には、美容皮膚科の受診をおすすめします。メラニン毛穴の治療は、ダウンタイムが少なく、比較的手頃な価格でおこなえるものが多いのが魅力です。
美容皮膚科では自宅でのスキンケアや専用コスメの処方も可能であり、美容皮膚科と自宅でのWケアによって早めの改善が期待できます。
メラニン毛穴にお困りの方は、美容皮膚科に相談することも選択肢の一つとして検討してみると良いでしょう。