毛穴トラブルのケアと治療
更新日:2022年11月29日 火曜日毛穴のひらき、小鼻の黒ずみ、角栓によるザラつきや毛穴詰まりなど、肌悩みで常に上位にあがる毛穴トラブル。皮脂の分泌が増えて顔がベタつき、ドロドロとメイクが崩れて毛穴に汚れが溜まった状態が続く夏はもちろん、肌の乾燥によりキメが乱れて毛穴が目立つ冬など、季節を問わず1年中毛穴悩みは尽きません。
さらに、コロナ禍における長時間のマスク着用も加わり、例年以上に毛穴のトラブルに対してどのようにケアしていいのか、男性・女性問わず悩んでいる人が多い問題ではないでしょうか。
毛穴のトラブルのために色々なケアを試してみたり、毛穴レス肌に憧れ、毛穴を隠すために化粧を重ねるなど、過度なスキンケアや間違った毛穴ケアのせいで毛穴目立ちが悪化してしまったり、さらなる毛穴トラブルを引き起こしていることもあります。ここでは、毛穴トラブルに対しての正しいケアについてご説明していきます。
毛穴トラブルの種類や原因、正しいケア方法を知って、毛穴目立ちのない美肌を目指しましょう。
※この記事は、美容皮膚科タカミクリニック副院長の山屋 雅美医師が監修しています。
タカミクリニックの毛穴治療について詳しく見る
起こりやすい毛穴トラブルの種類と原因
毛穴に詰まっている角栓の原因を皮脂だと思っている人は多いかと思います。しかし、実は角栓の70%はタンパク質(古い角質)で、残りの30%が皮脂になります。ほとんどがタンパク質のため、オイルやホットタオルで溶かし出すことはできません。また、無理に取ろうと過度な洗顔やクレンジングを行うと、肌のトラブルにつながることが多くなります。
肌のトラブルを回避するためには、自身の肌質の状態やトラブルの原因、自分にあったホームケアの仕方を学ぶことが大切になります。毛穴に関するトラブルにはどんなタイプがあるのか、原因と対策について解説していきます。
【1】角栓
毎日丁寧にクレンジングや洗顔をしていても、毛穴に角栓が詰まってしまうことがあります。過剰なクレンジングや洗顔を行っていると、肌が乾燥肌して皮脂の過剰分泌に繋がりますし、乾燥によるキメの乱れも毛穴詰まりの原因になります。
また、詰まった角栓を指で絞り出そうとする人も多いのですが、無理に角栓を取り除こうとすると角質層に傷がつきます。角質層に傷がつくことでも毛穴が塞がり角栓詰まりを引き起こしますので、肌に刺激を与えずに角栓を取り除くことが大切です。
セルフケアでは、十分な保湿をすることが重要。べたつくからと保湿を控えめにすると、皮脂が過剰に分泌されるので注意が必要です。
【2】毛穴の黒ずみ
毛穴の黒ずみの原因はいくつかあり、主な原因として「角栓の黒ずみ」と「毛穴まわりの皮膚の黒ずみ」があります。
角栓の黒ずみ
過剰に分泌された皮脂にメイク汚れや空気中に舞っているホコリ、古い角質が混ざった形成された角栓が、長時間毛穴に留まり酸化することによって起こります。
毛穴まわりの皮膚の黒ずみ
紫外線ダメージ、皮脂の酸化、日常的な肌への摩擦、角栓をピンセットで取り去るなど間違った毛穴ケア時の肌への刺激により、毛穴周りの皮膚にメラニンが過剰生成・蓄積して起こります。毛穴周りの皮膚がリング状に黒くなっている “毛穴ジミ”です。
その他、顔の産毛を剃ることで産毛の断面が黒く見える場合や、毛穴が開いたままになり影ができて黒んで見える場合もあります。
毛穴の黒ずみは種類によりセルフケア方法も異なります。
角栓の黒ずみのケア方法
角栓のもととなる過剰な皮脂を抑えるビタミンCケアと、角栓が酸化し黒く目立つのを予防する紫外線対策ケアをしましょう。油分の多すぎるアイテムの使用が角栓の発生を招く可能性があるため、ビタミンC誘導体が高配合された化粧水や美容液、日焼け止めも専用クレンジングを使用せずにきちんと落とせる処方のアイテムを選びましょう。
毛穴まわりの皮膚の黒ずみ
メラニンの色素沈着が原因となる毛穴ジミは、メラニンの蓄積や排出をサポートする美白ケアと角質ケアが効果的です。
【3】皮脂による毛穴の開き
過剰に分泌された皮脂が原因で毛穴が開きます。皮脂分泌の原因は男性ホルモン(アンドロゲン)の主構成成分テストステロンが大きく影響するので、思春期から20代をピークに皮脂分泌が多くなり、その後徐々に減少していきます。しかし、ストレスによるホルモンバランスの乱れ、食生活、生活習慣、肌の乾燥などによっても、皮脂は過剰に分泌されてしまいます。そのため、仕事でストレスを感じている方、生活習慣が乱れて寝不足な方、保湿不足で肌が乾燥している方は、30代以降の方でも皮脂分泌が多くなり、毛穴が開きやすくなります。また、このタイプは、毛穴に詰まった汚れをとっても毛穴はずっと開いたままの状態であるため、毛穴の引き締め対策が大切となります。
【4】ニキビによる毛穴の凹み
炎症を起こしてニキビが化膿してしまうと、ニキビの範囲や治るまでの期間によっても状態は異なりますが、ニキビの傷が真皮に達し皮膚細胞を破壊してしまい、これによって毛穴に凹凸ができてしまいます。また、ニキビを自分で潰してしまうなど、間違ったニキビケアによっても、毛穴が「クレーター」のように凹んでしまうことがあります。ニキビを原因とする毛穴の凹みは自宅でのホームケアでは改善がなかなかできませんので、美容皮膚科など医療機関での治療が必要になります。
毛穴の種類について詳しく見る
治療の予約・相談をする
毛穴トラブルを悪化させるNGケア
毛穴に効果的なケアを行う前に、まずは毛穴トラブルを悪化させてしまう「間違った毛穴ケア」を正すことからはじめましょう。
毛穴トラブルを悪化させるケア
・毛穴汚れをしっかり落とすため長時間かけてクレンジングや洗顔をしている
・角栓が気になるので、ピンセットや爪で角栓を抜き取っている
・スクラブやゴマージュなど物理的に肌を擦る方法で角質ケアをしている
・毛穴の引き締めを狙って冷水で洗顔している
・油分多いクリームを愛用している
・毛穴の開きが気になるので、毛穴を埋めるタイプのメイク下地を愛用している
毎日拡大鏡で毛穴をチェックしている人は、毛穴が気になるあまり過剰にケアをして、毛穴トラブルを悪化させている傾向があります。どの毛穴トラブルにも共通して言えることですが、肌を擦ったり過度なクレンジングや洗顔は、肌や毛穴にダメージを与え、反対に毛穴状態が悪化してしまうため気をつけてください。
治療の予約・相談をする
毛穴トラブルにおすすめの毛穴ケア方法
毛穴トラブルで悩まないために、日々のスキンケアの見直しと、取り入れて欲しいスペシャルケアの方法を紹介していきます。
【1】洗顔
スキンケアでは、まずは洗顔が大切なポイントになってきます。洗顔のしすぎや間違った洗顔は肌にダメージを与え、乾燥、バリア機能の低下、皮脂分泌過多など様々な肌トラブルを引き起こします。酸化した皮脂や汚れを落とすことが洗顔の目的ですので、細胞間脂質や天然保湿成分を洗い流してしまう過度な洗顔を行わないようにすることが肝心です。
正しい洗顔方法
まずは、手をしっかりと洗います。そして、洗顔料を使用して顔を洗う前に、34~38°C(体温と同じくらいの温度と同じか少し高い)くらいのぬるま湯で顔を洗う「予洗い」をしましょう。この予洗いの時点で汚れの7割程度が落ちると言われています。
次に、洗顔料を泡立てネットなどできめ細かく泡立てます。もちもちとしたきめ細かい泡ができたら、まずは皮脂が多いTゾーンなどから優しく洗います。泡をそっと肌にすべらせ撫でるように洗います。肌をこすらないように気をつけてください。洗顔ブラシは使用しないこと。目元や口元などの乾燥しがちな部分は、泡を乗せるだけで大丈夫です。洗顔にかける時間は40秒程度で、すすぐときは、ぬるま湯(34〜38度程度)で20回以上すすぎ、泡が肌に残らないようにしてください。熱すぎるお湯での洗顔は、乾燥を招く原因になるので避けてください。
すすいだあとは、清潔なタオルで顔を優しく押さえるように水分を取り、肌が乾燥する前にすぐ保湿をしましょう。
【2】ホットタオル
お風呂に入るだけでも毛穴は開きますが、ホットタオルを顔に乗せ肌を温めるとさらに効果的です。蒸しタオルによる適度な熱は、皮下組織の血流を促して肌の代謝を高めてくれます。ホットタオルの蒸気とともに熱が肌に行き渡って毛穴が開くことで皮脂や汚れを取り除きやすくなります。
ホットタオルのおすすめのケア方法
丁寧にしっかりと洗顔した後、水に浸したフェイスタオルを軽く絞り、500〜600Wの電子レンジで30秒〜1分ほど加熱します(やけどに注意してください)。次に、取り出したタオルが程よい温度になったらホットタオルを顔全体に両手で軽く押さえるようにあて、そのまま3分ほど放置します。蒸しタオルを外した後に洗顔をし、しっかりと保湿ケアを行ってください。化粧水、美容液などで肌を十分潤わせた後は、乳液などで肌に蓋をして潤いを逃さないようにしましょう。ホットタオルには清潔なタオルを使い、塩素の抜けた真水か軟水のミネラルウォーターを使用するようにし、週に2回までにしましょう。
【3】保湿
化粧水による保湿はもちろん必須ですが、その前に重要となるポイントは、過度な洗顔などによって肌本来のうるおい成分を損なってしまわないようにすることです。過度の洗顔や肌のこすりすぎにより肌のバリア機能が乱れると、角質層のうるおいが低下、ターンオーバーが滞り毛穴が詰まりやすくなります。
バリア機能を維持したり、乱れたバリア機能を回復させる応急処置には、セラミドケアを取り入れましょう。角質層の水分の80%を構成している「細胞間脂質」はセラミドですので、スキンケアでセラミドを補うことで、角質層の構造を整え乾燥や毛穴トラブルを防ぐことができます。また、肌がうるおいキメが整うと、毛穴目立ちも軽減します。
治療の予約・相談をする
毛穴トラブルを防ぐスキンケア化粧品の選び方
スキンケアにおいては、クレンジング、洗顔、化粧水、そして乳液などの保護アイテムがその基本となります。順番を守ることも大切ですが、なによりも自分の肌に合うものを使うことが一番大切です。
【1】乾燥肌の場合
乾燥肌の人は、水分を与えるだけではなく水分を保持できる肌を作ることが大切です。セラミドが高配合されている化粧水や美容液がおすすめです。
【2】脂性肌の場合
脂性肌の人は、テカリが気になるために過剰な洗顔を行ったり、保護ケアを省略してしまいがちです。適切な洗顔方法を実践して、化粧水の後は油分の少ないタイプの保護アイテム(ゲル、乳液)できちんと肌に蓋をしましょう。
混合肌の人は、テカリが出る部分とカサつく部分とで化粧品を使い分けるようにしましょう。
【3】敏感肌の場合
敏感肌の人は低刺激のものを使うことをおすすめします。乾燥して肌がダメージを受けている場合があるため、保湿ケアをしっかりすることが大切です。乾燥肌の方同様に、セラミドが高配合されている化粧水や美容液を使うことをお勧めします。セラミドをプラスすることで肌内部に水分をとどめ肌のバリア機能を高めることができます。
自分の肌質に合う化粧品を選ぶためには、専門的な知識のあるクリニックで相談することが望ましいです。日常のスキンケアがクリニックで行う治療も左右しますので、治療に焦点をあてて開発された治療用のコスメを症状に合わせて処方してもらい、毎日のスキンケアを行うことで、施術の有効性を損なわないようにすることも非常に大切となってきます。
毛穴治療中のスキンケアについて詳しく見る
治療の予約・相談をする
確実に毛穴トラブルを改善したいときは
毛穴のトラブルは、ホームケアのみでは解決しないことが多々あります。スキンケアよりも一歩進んだ毛穴ケアをしたい場合は、専門の医療機関に相談するとよいでしょう。専門の医療機関と聞くと、皮膚科を思い浮かべる方も多いと思いますが、皮膚科では皮膚の病気やケガに対する治療が目的となり、美容目的となる毛穴の黒ずみや開きに対しては保険診療の適用になりません。
そのため、毛穴トラブルでお悩みの方は、専門的な毛穴治療を受けることができる美容皮膚科の受診をおすすめします。美容皮膚科では、美容医療がはじめての人でも気軽に受けられる医療エステから、長年悩み続けている毛穴の悩みを根本から解決していくレーザー治療まで、毛穴に効果がある治療が豊富に揃っています。
【1】美容皮膚科での医療エステ
化粧品以上の効果を求める方、エステでの効果に満足できない方におすすめなのが、エステのように気軽に受けられ、医療効果を実感できる「医療エステ」です。毛穴のつまりには、肌に負担をかけずにしっかり角栓を取り去る「角栓除去」、ビタミンC誘導体を肌の深部に導入し皮脂分泌抑制や毛穴を引き締める効果のある「イオン導入」などがあります。
医療エステについて詳しく見る
角栓除去について詳しく見る
イオン導入について詳しく見る
【2】美容皮膚科での毛穴に効果がある治療
美容皮膚科では、長年悩み続けている毛穴の悩みを解決する治療を行っています。専用のピーリング剤で肌のハリ・弾力・キメを改善し毛穴目立ちや毛穴のざらつきを改善させる「マッサージピール」や「ヴェルベットスキン」、フラクショナルレーザーを使ってコラーゲン増生を促して肌のハリ・弾力を高めて毛穴を小さくする治療「フラクショナルレーザー治療」があります。また、オリジナルの外用薬や院内処方コスメもあるため、美容皮膚科での施術に合わせて自宅で使うことで、より効果を実感出来ることができます。
美容皮膚科では、皮膚科で受けることのできない、毛穴の黒ずみや開きなどに対する専門の毛穴治療はもちろん、毛穴のお悩みに合わせたスキンケア指導も行っています。
毛穴治療の施術メニュー詳細はこちら
治療の予約・相談をする
まとめ
毛穴のトラブルは人それぞれであり、最適な治療法も人によって異なります。毎日の自宅でのホームケアを適切に行うことはもちろんですが、ホームケアで解決しない肌のトラブルは美容皮膚科に通いしっかりと確実に治すことが大切です。
自分の肌にあったケアや治療を心がけ毛穴トラブルのない綺麗な肌を目指しましょう。トラブルが解決した後も、正しいスキンケアで肌トラブルの再発を防ぐことも大切です。
タカミクリニック毛穴外来ついて詳しく見る
治療の予約・相談をする